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一人でバンコクのスパに来るということ:CORAN現場の話

2026-04-287 分で読めます
一人でバンコクのスパに来るということ:CORAN現場の話

コランがオープンしたのは2007年。最初の半年で記憶に残っている一人旅のお客様は、シンガポールから来た30代の女性だった。3日間の出張の最終日、フライト前に2時間だけ空いたという。チェックアウト済みで、大きなスーツケースを持ったまま玄関に立っていた。荷物を預かり、シャワーを使ってもらい、120分のアロマセラピーを受けてから空港に向かった。「一人で来てよかった」と帰り際に言われた。それ以来、19年経った今でも、毎日のように一人で来店されるお客様を迎えている。

一人で来るお客様の構成は、19年の間に少しずつ変わってきた。初期は出張で来たビジネスパーソンが多かった。今は、一人で来店されるお客様の約7割が女性だ。日本、韓国、台湾、香港、シンガポール、欧米諸国からの観光客と、タイ在住のお客様。タイ在住の方の一人来店は、思いのほか多い。年齢層は20代後半から60代まで幅広い。最近は60代の一人旅も珍しくない。「子供が独立したから、一人で旅行を始めた」と話される方もいる。

予約のときに一番よく聞かれる質問は、安全性についてだ。「個室ですか」「セラピストは女性ですか」「貴重品はどうしますか」。これは答えが決まっている。全室個室。鍵がかかる。コランのセラピストは全員女性。男性セラピストはいない。貴重品は施術室内の小型セーフティボックスに保管できる。木箱タイプの、鍵付きのもの。受付に預けるのではなく、施術室の中でお客様自身が管理する形にしている。

もう一つ多い質問は、言葉。タイ語ができない、英語も自信がない、という日本人女性は多い。コランには日本語専用の電話番号、LINEアカウント、日本語のホームページがある。予約は日本語で完結する。受付スタッフはタイ人だが、施術前に必要な確認事項は、事前に日本語のやり取りで済ませてある。施術中の希望(圧の強さ、痛いポイント)は、声を出してもらえれば必ず伝わるよう、スタッフが事前確認している。中国語、韓国語、英語のお客様も同様だ。

一人で来店される方には、いくつかの提案をしている。一つは、長めのコースを選ぶこと。2人や3人で来る場合、施術時間は全員に合わせる必要があるが、一人なら4時間のフルコースも選びやすい。途中で眠ってしまっても、誰も待っていない。もう一つは、平日の来店。土日は予約が混みやすい。平日のほうが、希望の時間帯と希望のセラピストを取りやすい。終わったあとにティーラウンジで1時間ぼうっとして帰る、というお客様も多い。

正直に書いておくと、コランが向いていない一人旅もある。深夜に到着して翌朝早く出発する超短時間滞在で、リフレッシュだけしたい方には、空港やホテル内のクイックマッサージのほうが合うかもしれない。コランの最短コースでも40分かかる。それから、他のお客様とも交流しながら過ごしたい方。コランは全室個室のブティックスパで、ロビーで他のお客様と話す機会はあまりない。グループスパや大型リゾートのほうがそういうニーズには合う。私たちは「静かに、自分のために過ごす場所」という形を選んできた。

コランの一人旅向けに、よく勧めるコースをいくつか。短時間なら40分のシロダーラ&インディアンヘッドマッサージ(1,200バーツ〜)。60分のアロマセラピー(1,250バーツ〜)。フライト後の回復には90分のアーユルヴェーダ パッケージ(2,000バーツ〜)。じっくり過ごしたい方には150分のアーユルヴェーダ(2,600バーツ〜)か、4時間のフルコース。場所はナイトホテル バンコク3階、スクンビット ソイ15。BTSアソーク駅から徒歩5分。荷物は無料で預かる(チェックアウト後の方も)。当日予約は4時間前までウェブサイト、LINE(@coranboutiquespa)、または電話(+66-62-587-5366/日本語専用 +66-82-658-1088)で承る。

一人で来店されたお客様を見送るとき、私はよく観察している。来たときよりも肩の位置が下がっていたら、その日は成功だ。表情が少し緩んでいたら、なお良い。19年で何千人もの一人旅のお客様を見てきて、一人で来る勇気を持って来てくださった方には、来たときよりも軽くなって帰ってほしい、と思っている。それだけが、私たちにできることだ。

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